80歳までに、自分の歯を20本残そう
8020(ハチマルニイマル)運動とは
『8020運動』という言葉は聞いたことがありますか?これは平成元年に厚生省(当時)と日本歯科医師会が提唱した、「80歳で20本以上、自分の歯を残し、なんでもよく噛める快適な状態に保とう」という運動です。最低でも20本以上の機能する歯があれば、大抵の食べ物は噛みくだくことができ、食生活にほぼ満足することができると言われています。
8020運動の達成率
厚生労働省が行った令和4年歯科疾患実態調査によると80歳になっても自分の歯が20本以上残っている人(8020達成者)の割合は51.6%でした。前回調査の平成28年では51.2%と同程度でした。
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出典:「令和4年歯科疾患実態調査」(厚生労働省) (https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf)(17ページ 表15)
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出典:「令和4年歯科疾患実態調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001112405.pdf)(18ページ 図15)
歯を守るために 8020運動推進活動
歯を失う原因で最も多いのが歯周病です。生活習慣病と言われるこの病気は、成人の80%以上がかかっています。歯みがきなど毎日の手入れと併せて、かかりつけの歯科医院に定期的に通い、歯の状態をチェックしてもらいましょう。8020を達成するためにかかりつけの歯科医院を持つことが重要です。むし歯や歯周病は放置していても治りません。早期に発見し、早期に治療することが大切です。また、これらを予防していくことも多くの歯を残していくうえでとても重要なことです。
8020を達成している方は、これからも自分の歯で、おいしく楽しく食事を楽しんでいただくためにできるだけ今の状態を維持できるように心がけていただきたいと思います。80歳になる前に残りの歯が20本未満になってしまった方も、これ以上歯を失うことがないように心がけていくことが大切ですし、歯を失ったところには適切な補綴物や義歯を入れることが必要です。
8020運動は生まれる前から始まっています。楽しく充実した食生活を送り続けるためには、妊産婦を含めて生まれてから亡くなるまでの全てのライフステージで健康な歯を保つことが大切です。
8020運動のその先
8020運動が順調に達成されつつあり、健康寿命の延伸のポイントは残っている歯の本数だけではなく、話すことや食べて飲み込むことなど、口の健康状態を保つことにあると思われます。高齢社会の今、介護予防の点で早めに対応しようという活動も推進されるようになりました。健康格差の解消や、健康寿命を3年以上延伸し平均寿命との差の縮小を目指す「オーラルフレイル(口腔機能の低下)を予防する」ための活動にも取り組んでいきます。詳しくは「オーラルフレイルとは」のページをご覧ください。